昨今、死別が配偶者の心身に及ぼす影響として、主にうつ病・自殺のリスク増加や、心疾患の罹患率増、生活機能の悪化(アルコール・煙草等への依存度増)が報告されています。
WHOが定めるホスピス・緩和ケアについての定義のなかにも、[家族が患者の死別後の生活に適応できるような支援システムを構築する] ことが明示されています。
イギリスなどのグリーフケア先進国では、グリーフケアシステム導入後、実際に自殺率が低下する等、その効果も実証されており、多くの医療者・臨床家が、適切な援助によって死別に起因する心理的・身体的な衰弱化のリスクは低減されるといわれています。そのなかでも、同じ境遇の人と接すること、感情を吐き出せる環境を整えることは重要とされ、大切な人を亡くした人へのケアは地域における急務の課題となっています。
大切な人との別れを体験した後、どうすることもできない自分の気持ちを話せる場はありますか?
故人の存在が大きければ大きいほどに、後悔の念や生きていることへの罪悪感、受け止めたくない気持ちや憤りなど、さまざまな感情に苛まれつらい日々を過ごすことになります。
そういった中で考えることがつらくて何も考えないように頑張りすぎてしまうとふとした瞬間悲しみが襲ってきて堪えきれなくなる場合があります。周りは気付かないところで、周囲からの何気ない言葉に傷付いたり、冷たい対応に落ち込んだり、周囲との感覚の違いがつらかったり、寂しさや憤りの中でさまざまな気持ちや感情を抱くことがあるでしょう。
それらのさまざまな感情をゆっくりと話し、ほんの少しずつでも気持ちを整理していきませんか?
また、若くして親を亡くした子どものこころのケアについてのご相談にも応じております。
これまで緩和ケア病棟で大切な人を亡くされたご遺族の話を数多く聴いてきたカウンセラーが対応しますので、安心してご相談ください。